仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

リスペクト 1

Sacred Space

これは私がカードリーディングを始めるきっかけとなったセイクレッド・パスカードの中の1枚で、1992年の春、今から31年前にアメリカから帰って来た友達に、私がアメリカ・インディアンに縁があるからいうのでプレゼントとして頂いたものです。

44枚のカードの説明に結構分厚目の本がついていて、そこに儀式や伝統の意味、そこから引き出されるカードの意味なんかが書かれています。どのカードも意義深くて、教え導かれているような、襟を正されるような気持ちになります。

その中に出てくる表現(言葉)にはインディアン独特の言い回しがあって、カードのタイトルになっているセイクレッド・パスカードを一例としてあげると、ーsacred pathー 直訳すると聖なる道。つまり人生という意味になります。そこから生きるという意味で、liveではなくwalkという言葉が使われたりします。生きるということは一歩一歩、歩いていくこと。とても単純明快な表現だなあ、インディアンらしいって思います。「歩く」と言い換えてみると、人生を大層なものと捉えて頭でっかちになりがちなところがスッと軽くなって、心を迷わせていた霧が晴れていくような気がします。

セイクレッド・パスカードの44番目(最後)がセイクレッド・スペース(聖なるスペース)というカードで、ストーンサークルの中に子供が座っているように見える絵が描かれています。これは自分のスペースを大切にしなさいということを伝えるカードで、自分のテリトリーに印をつけなさいと語っています。自分のスペースという中には、目に見える物理的な空間、物だけではなく、他人を含め自分の精神や思考、感情などの心理的なものを大切にするという意味合いが含まれています。つまり物心両面において、自分自身を尊重するということが人生を歩く上での基本だと伝えています。

自分を尊重できない人は他人に対してノーということができない。単刀直入に進んでノーと言いなさい、とも言っています。自分が自分を尊重するその自尊の念が、他人があなたをどう扱うかという態度に反映される。もし他人があなたの聖なるスペースを尊重しない、敬意に欠けた態度をとることを許しているとするなら、それはあなたに嫌われるだけのガッツがないのだ、とも言っています。(常々、自分って軽く見られていると感じている人いませんか?)大切なのは人に好かれることではなく、自分自身と共に在ること。幸福は自分の心から始まるのですよ、と締めくくられています。生きて行く上で欠かせない基本中の基本でありながら、もしかしたら多くの人ができていないかも知れない大切なことがシンプルな言葉で語られていて、今でも尊い聖なる導きの書で私の座右の銘とも言える本(&カード)です。