仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

ドン・エンリケ・サーモン 

 

Don Enrique Salmón (amazonより)

エンリケ・サーモン氏の著書

☆Iwígara: American Indian Ethnobotanical Traditions and Science (English Edition)2020/09/15

Amazon.co.jp: Iwígara: American Indian Ethnobotanical Traditions and Science (English Edition) 電子書籍: Salmón, Enrique: 洋書

 

☆Eating the Landscape: American Indian Stories of Food, Identity, and Resilience(First Peoples: New Directions in Indigenous Studies)2012/11/15

Amazon.co.jp: Eating the Landscape: American Indian Stories of Food, Identity, and Resilience (First Peoples: New Directions in Indigenous Studies) (English Edition) 電子書籍: Salmón, Enrique: 洋書

youtu.be

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本の中の人だと思い込み、これまで自分の勝手なイメージで思い描いていた人が、突如色つきの映像に変わって実在の人物だと認識する。もちろん自分で検索してみた結果なので、別に驚くような出来事ではないのですが、長年、本の中で彼の話しに耳を傾け影響を受けてきた者として、「こういう人だったんだ〜!」と何と表現したらいいのか・・・感慨を覚えました。「植物のスピリット・メディスン」の中で博士号をとるところだと語っていた場面もあったので、現在彼がカリフォルニア州立大学イーストベイ校、民族学科の教授になっているのも決して不思議なことではないものの、そっかあ教授になってたかあ〜と年月の経過やその他諸々に、まるで遠く離れていた親戚に何十年ぶりかに出会ったみたいにしみじみとした想いになってしまいました(あくまでもこちらの勝手な思いで、エンリケ氏本人には全く何の関係もありません😅)

エンリケ・サーモン氏はララムリ族、もしくはタラウマラ族としてメディスンマンの祖父・祖母にヒーラーとしての教育:訓練を受けた人物です。しっかりとした民族的な基盤をもちながら、学者としての客観的な視点から植物や食物、大地、そして大地に根ざした民族の暮らしや伝承を含む書物を著し、先住民の文化や伝統の重要性を伝えるとともに守っていく仕事を今も続けてられているようです。

彼の著書が上記のようにIwígara(2020年)とEating the Landsacpe(2012年)の2冊ありました。

Iwígara:

iwígaraというのはララムリ族の言葉で、すべての生命体が相互に関連し、同じ一つの息を分かち合っているということを意味する言葉です。先住民の文化として何千年もの間受け継がれ、自然界についての知識の宝庫となってきたものです。民族植物学者のエンリケ・サーモンは北米の先住民が大切にしている80種類の植物に焦点を当てて、食料や薬としての植物の使い方や、詳細な見分け方や収穫方法、および植物が伝統的な物語や神話の中で果たしてきた役割などについて詳しく解説しています。これらのページの中で、あなたは自然界との繋がりをより深いものにしてくれる時代を超えたiwígaraの知恵を発見することでしょう。(Iwígaraの解説文からの抄訳)

*先住民が使っていた伝統的な道具やカヌーなどの美しい挿絵や、ボタニカルアート(植物の細密画)や写真を眺めるだけでも楽しめそうな本だと思いました。

Eating the Landscape:

食べるということは政治的なだけでなく、自分のアイデンティティと世界観を再確認する文化的な行為であると、エンリケ・サーモンは自身の著書「風景を食べる」の中で語っています。この本はソノラ砂漠を居住地とするトホノ・オダム族やシエラ・タラウマラのララムリ族など多種多様な文化を網羅しながら、アメリカ合衆国南西部からメキシコ北部を巡る 目覚ましい旅の本でもあります。著名な先住民の民族植物学者としての彼の歴史的・文化的な知識を、アメリカ・インディアンの農民が彼に語ってくれた物語、つまり作物の栽培から食事の準備に至るまでの伝統的な先住民の食の道が、いかに環境に対して責任を持った長年の理解に基づいているかを説明した物語と織り交ぜています。

農業の大規模産業化や遺伝子組み換えなど、食料システムの現代的な変化に直面して、サーモンは彼が探求する広大な文化的・地域的多様性にもかかわらず、共通のテーマを明らかにしています。人間と土地との互恵的な関係性を保つことの重要性、各グループの文化的アイデンティティとその生態系との関係、そして土地の意識と食物の意識にとって不可欠な相互の関係性。サーモンは、農民が地球規模の気候変動やその他古来から続いてきた食の道の混乱と戦うときに、これらの集合的な原理が先住民の回復力の基盤になるとしています。この回復力は、先住民の農業従事者によって維持されてきた伝統的な生態学的知識の豊富な蓄積とともに、今後数年間で人間の食料源を維持するための鍵になるかもしれないとサーモンは語っています。(抄訳)

*トホノ・オダム・・・一般にはパパゴ・インディアンという名前で知られていますが、彼ら自身はその呼び名を嫌い自分たちのことをトホノ・オダムと呼んでいるそうです

 

Eating the Landscapeは、身土不二という言葉にやや近い意味合いを持ちつつ、さらには土地とその土地にできる作物、それを食べる人間や動物など生物との関わり、そこから発生する文化・生態系など幅広く大きなカテゴリーを含んでいると思いました。「植物のスピリット・メディスン」の中で彼が語っていたことを、そのままずっと継続してきたのだなということが感じられて励みになりました。動画については、また機会があれば、簡単な訳でもつけられればいいなと思いますが、いつの日のことか???どなたか訳してくださる方が出てくるといいと思いますが、どうでしょう???期待をこめて、待っていようと思います。とりあえず、今のところは。大地と私たちの暮らしに恵みがありますように🌽🌾