仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

Happy Birthday, George 3

〜エピソード〜

投稿がかれこれ3週間ほど、大幅に遅れてしまいましたが。。。

とにかく書き出したら止めるわけにはいかないってことは

全くないけれども、ここは踏ん張って書き上げてみましょう。

これもかなり前のことになります(昔話ばかりで恥ずかしながら・・・(^^;;)

いつの間にか流れがそういうことになっていたのですが、

2009年にひょんなことからハワイに行くことになって、

出発する日と帰る日が先に決まって、中身のスケジュールがないという、

一体何しに行くんだっけ?みたいな状態でチケットを手にしていた。

とりあえずオアフの知り合いの家に泊まらせてもらって、友達が飼っている

ゴールデン・リトリバーのサリーという犬の散歩をしたり、友達に勧められる

ままにハワイアンの博物館に行ったり、なんだか暇そうな日々を

過ごしていたら、私の兄がマウイ島に住んでいるけど

マウイには行かないのかというので、行けたら行くという曖昧な返事をしたら、

それで行くことが決まって、すべて友達が手はずを整えてくれて、

言われるままにマウイの空港に降りると、何故か昔のボーイフレンドに

そっくりな(歩き方までそっくりで二度ビックリな)友達のお兄さんが

目の前に現れた。たぶん友達の指示通りに途中の町のナチュラル・フードの

お店に立ち寄って、これから過ごす5日〜1週間分くらいの食料を買って、

そこから彼の家(土地)のあるハナという秘境までのドライブとなった。

ハナまでの海辺に沿った道路はまさに“Long and Winding Road".

舗装されてない細い道に架かる橋はどれも木でできていて、

海岸沿いの緑の断崖にかかる虹など絵に描いたような美しい景色。

だけれどもとにかくカーブに次ぐカーブで車に酔って、楽しむ余裕もない。

やっとのことで友達が建てた小さな小屋(キャビン)にたどり着いた。

次の日に近くの植物園に行ったくらいで、あとはほとんどそのキャビンに籠って

孤独な日々を過ごした。

 小さなソーラーパネルがあって、夜は小さな灯りが灯るだけ。特にこれと言って

やることもなく、雨の夜には(ハナは雨が多い所なのです!)大きなアボカドが

ぼたんぼたんと落ちる音を聞きながら、眠ることもできず暗闇の中で長い夜が

明けるのを待ちわびた。

 その時に友達のお兄さんから聞いたのが、彼の家からすぐのところにかつて

ジョージ・ハリソンの別荘があって、彼がその別荘の庭の手入れを任されていた

という話。

ジョージ・ハリソンがその別荘にやって来て、いよいよ帰る時にはパーティー

開いて、別荘のために働いてくれた人も全員招待してくれたという。

心優しいジョージの一面がうかがえる話だ。

その別荘にまつわるもうひとつの話が、

ジョージは別荘に電気を引きたかったのだが電線を引っ張ってくるのに、

どうしても別の人の土地を通らなければならず、その土地の持ち主がそれに

反対だったので、電気を引くことを断念せざるを得なかったという。

自然そのままといっていいようなマウイの秘境に別荘を建てるような人は、

こだわりも強かったのだろう。

たとえかの有名なビートルズジョージ・ハリソンの希望であっても、

電気は引かせないというのもなんだかありそうな、またそこで悶着を起こさず、

穏便に済ませたであろうジョージ・ハリソンの人柄が偲ばれるような、

心温まるささやかなエピソード。