10月7日 朝の散歩
いつもの散歩道。
溜池のあるところで右に折れ、坂を下って行く。
すでに亡くなって5、6年は経つだろうか?
私が勝手に田んぼのおばちゃんと呼んでいたお婆さんの田んぼの3つ目、
高い土手に沿った農道に差しかかった時、
農道の向こうのススキやセイタカアワダチソウ、雑木に埋もれてしまった
廃れた田んぼのどこかから、威嚇しているらしい野生動物の
「フルンフルン」という荒い鼻息の音が、漫画の吹き出しを
見ているのかと錯覚したくなるくらい、ハッキリと聞こえてきた。
それは大人のイノシシに違いないと頭で判断するよりも素早く、
身体の方ははこれが総毛立つということなのか!という全身反応と、
背筋から昇ってくる恐怖に、アッという間もなく踵を返し走り出した。
とは言えど、上り坂。。。
恐怖心に煽られてはいても、身体の方は疾走するというわけにはいかず、
すぐに立ち止まってしまい、心臓の動悸も激しく、
これでは猪に突き殺される以前に、心臓発作で死んでしまうリスクも
ありだなと、そっちの危険も感じた。
心臓発作を起こして坂道の途中で倒れ、追いついてきた猪の牙で
突っつき回される!という妄想が、瞬時に湧いた。
一緒にいる我が家の犬は飼い主を守ってくれるどころか、
逆に私が守ってあげなきゃいけないような頼りなさだし・・・(T ^ T)
少しは離れたものの、猪の怒っているような荒い鼻息はまだまだ
間近に感じられ、恐怖に煽られながら出来るだけ走ろうと奮闘した。
坂の上の方まで来てもまだ鼻息は聞こえてはいたが、
さすがに猪の方も身の危険は去ったと判断しているだろうという気がして、
やや落ち着きを取り戻したが、時々後ろを振り返り、
猪が追ってきてはいないことを確認しながら、急ぎ足で家まで戻った。
実際に猪が出てきて追いかけられた訳ではなかったが、
稀に味わうリアルな恐怖感だった!
これまでにガラガラ蛇がとぐろを巻いてブッシュの下で休んでいるのを
見かけたことがあったし(カリフォルニアでのことです)、
ここに住み始めてからは、散歩の時に挨拶していた大きな木の根元に、
小さながマムシがやはり丸くなって眠っているのを(?)
2回見かけたことがあったが、驚きはしても自分の命が脅かされて、
アドレナリンが一気に噴き出すような差し迫った危険は感じなかったし、
それよりも存在の静けさ・威厳を感じて、尊い、有難い感じさえした。
しかし、今回は自分自身の命にダイレクトに関わる経験で、
まさに猪突猛進。自分が走って逃げなければどうにもならないという
抜き差しならない経験をさせてもらった。
普段は眠っているものを一気に目覚めさせる野生のパワーに脱帽。
シャーマニズムがどうのこうのなんて・・・・・
偉そうに言う暇もあったもんじゃないね、ʅ(◞‿◟)ʃ