仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

どこから聞こえる不思議の音色?

2月4日(月) 立春 

 

いつものように犬の散歩で家の裏を通ると、どこからか聞きなれない

フルートの高音のような綺麗な、鳴き声らしきものが聞こえてきた。

 

その声がどこからきているのか、あたりをよ~く見回すと、どうも道路下の

田んぼの方から聞こえてくるようだった。(私の住んでいるところは田んぼと

茶畑が大半を占める里山の斜面に点在する集落で、裏の農道とその下にある

田んぼには3mくらいの落差がある)

 

近づいて下を覗いて見ると、なんと家の隣の田んぼ脇の水路で、田んぼの土と同じ

泥の色をした比較的大きめのカエルが、鳴きながら跳びはねているではないか!

半ば唖然として、その様子を見守った。

晴れの立春の日とはいえ風が強く暖かいとは言い難い。にも拘らず、

寒さにもめげず交尾のために土の中から飛び出してきたのだろうか???

 

 

それにしてもこの麗しい声は・・・一体何ガエル?

 

 

一体何ガエルなのか、また何故こんな寒い時期に正体の知れないカエルが

出てきたのか?

しかも妙なるその鳴き声は???

今この時期だけの特別なものなのかどうか???

探究心がむくむくと湧き上がってきて、

家に戻ってから、早速パソコンを開いてみた。

 

まずカエルの初鳴きで調べてみたが、どれも「桜が開花する頃聞いた・・・」

とあって、有力情報は得られなかった。

 

泥色のカエル、もちろん泥の中で冬眠していて保護色になった結果だとは思うが、

あのような高い声で鳴くカエルとは? 

色々検索してみたが、結局何の答えも得られず、謎は深まるばかりだった。

 

普通に考えれば、この辺りにいるのは殿様ガエル、アマガエル、ヒキガエルの類だと

思うが、私がみたあの泥ガエルはどれにも当たらないような気がした。

(殿様ガエルにしても、大きすぎるような・・・)

 

 

せめてあの不思議な声を録音したいと思い、スマホを手に上の道路から近づくと、

それまで機嫌よく(?)鳴いていたのに、ピタッと音が止まってしまった。

もっと近づいてみようと思い、場所を変えて田んぼ脇の広いあぜ道から

近づいて行くと、気配はさらになく、水路にカエルの卵らしき半透明の

チューブ状のものが淀んで見えるのみ。

それまで冬眠していたはずなのに、カエルさんたちの意識は覚醒していたようで、

取りつく島もない。

敵ながらアッパレと言いたいところだが、ざんね~ん!!

ちょっとくらい鳴き声を聞かせてくれたっていいのに~(≧Д≦)

私の好奇心は空回りしたまま。。。

ボブ・ディランのかの名曲、「風に吹かれて」を体現した形になってしまった。

 

 

The answer, my friend, blowing in the wind.

The answer is blowing in the wind.

 

 

*今日のレッスン

 

自然の存在には、敬意を持って近づくべし。

彼らには彼らなりの知恵や暮らしがあって、そこに安易な気持ちで近づいては

いけない。人間の小賢しさで、何らかの機材を持って録音しようとか記録しよう

という浅はかな意図を持って近づく前に、彼らにまず敬意を示して友好な関係を

築くか、望ましいのは、人間同士がそうであるように、

彼らの生活(プライバシー)を尊重すること=そっとしておく。

邪魔をしないこと。

だったみたい。。。。

 

*写真ではほとんど分からないと思いますが、水たまりの中のやや薄く濁った部分に

半透明のチューブ状の蛙のたまごがたゆたっています。水路の中にはこのような蛙の

たまごを含んだ水たまりがいくつかありました。Imagine please!

 

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田んぼ脇の水路に浮かぶ蛙のたまご

 

 

私が不思議な蛙の声を聞いて、春の息吹とも言える生命の躍動のようなものを

感じていたその日、知り合いがあちらの世界に旅立ったと聞いた。

同じ生命 (いのち)の流れの中で、一方は生まれようとし一方は去ってゆく。

どちらも同じ生命の海の中でリズムを刻み、寄せては返す波のよう。

永遠という時の中で、何ひとつ失われゆくものはない。

かけがえのない時を生きた友人に感謝の祈りを捧げる。

 

あなたの祈りはこの大地に刻まれています。有難う  All my relations♡