12月に入ると、腫瘍もかなり痛々しい様子になってきて、
何かできることはないかと考えたのかどうかは覚えていないが、
お釈迦様が病人を癒すのに使ったと言い伝えられる枇杷葉を煎じて、
夜寝る前にメバのお腹に湿布をすることが日課となった。
効果があるのかどうかは分からなかったが、煎じた(=あったかい)
琵琶の葉っぱのお茶にガーゼを浸して、それを患部に何度もあてる。
そうするとメバが、私が濡れたガーゼをあてた箇所を、次々に
ペロペロと舐めていく。そんな繰り返し。
使っていたガーゼは、最終的に焦げ茶の混じった濃い紫色のような
色になっていた。(いい色になりました^^)
枇杷葉のお茶なので舐めてもいいし、気持ちいいからなのか、
濡れて気になるからなのか、どっちかよく分からなかったが、
嫌がってる風でもなかったので毎晩、亡くなる日の前日まで
ずっと続けた。
3回目のセッションの時にそのことを話すと、ヒーラーさんは
琵琶葉は続けるといいだろうと言ってくれた。
それから今の状態が、医学的な見知からはどういう段階になるのか、
診断のために獣医さんに診てもらってくださいと言われた。
それで後日、動物病院に行くと、メバの腫瘍は(たしか)レベル4、
最終段階(末期)だそうで(言われなくても、見れば分かることだった)
何か注射を打ってくれた。(気付け薬的なものと理解している?)
獣医さんのところに行った翌朝、いつもなら部屋に敷いたメバ用の
タオルのところに寝ているはずのメバがいなかった。
注射のお陰で一時的に元気が出て、夜中に外に出て
近所を走り回って来たらしかった。
それが良かったのか悪かったのか分からないが、一気に元気になった分、
その後ガクッと力が落ちて、腰砕け=立ち上がれなくなってしまった。
死期が近いと判断した私は、歩けなくなったメバを抱っこして
庭に連れ出し、記念写真を撮った。
元々竹を割ったようなサバサバした性格で、どちらかと言うと勝ち気な
女の子というイメージだったが、今、この写真を見ると、改めて
芯の強さとともに慈愛のようなものを感じる。
何十匹もの子犬に乳を与え、辛抱強く育ててきた母犬の強さ。
同時期に生まれた他の子はすべて男の子で、他家に貰われて行き、
メバだけが女の子で我が家に残ることになった。
私はベージュの毛並みがお気に入りで、目の周りが黒く縁取られていて
目張りがあるというのでメバリーと名付け、結局メバと呼んで
一緒に戯れあったりして可愛がっていた。
雑種だと思うが、限りなく紀州犬に近かったと思う。(子供の国語ノート
の裏に紀州犬と紹介された写真が出ていたが、メバにそっくりだった)
紀伊半島に元々棲んでいたローカル性の強い、地元に根付いた種類で、
そのせいで頑強だったのだと思う。