仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

初鳴き

1月27日 冷たい風の吹く日

 前日は春のような晴天の1日だった。 

うって変わって、27日は曇ってあまり気温も上がらず、

冷たい風が吹きつける冬に逆戻りの寒い1日となった。

にもかかわらず、裏山のすすき野を下ったところの湿地では、

一瞬蛙とは思えないほどきれいな高い声で、蛙が鳴き交わしていた。

 

すぐにそれが蛙だと分かったのは、去年の2月に家の近くで

同じような高い声を聞き、実際に田んぼの脇の水路で

跳びはねる蛙の姿を見たことがあったからだ。

外気と比べて水中はさほど寒くないのか、

元気よく跳びはねる蛙もいる。

距離があるので、そこまでハッキリ姿を確認できるわけではないが、

水溜りのあちらこちらにいくつも輪っかができるのと、

黒いシルエットの何者かがジャンプしているのが見えるので、

そうだと分かる。

 

それにしても早い!もう春が来ている!

去年もこんな時期に?と驚いたが、それでも2月は越していた。

今年は下旬とは言え、まだ1月だ。

 

梅の花もあちこちで咲き始めた。

去年の年末に咲き始めた梅は、途中で枯れることなく

咲き続けているし、

隣の集落では、淡い桃色の梅が咲き出しているのを見て、

思わず気が上がった。

 

今年は春が始動するのが、ことさらに早い。

 

喜ぶべきか、憂うべきか・・・どちらでもないが、

毎年、冬が少しずつ暖かくなって、

春の訪れが少しずつ早くなっているような気がする。

自然が与えてくれる美しさに変わりはないが、

少しずつ地球の回転数が上がって、

何かがエスカレートしていっているような感覚になる。