最初の写真のイノコヅチ(猪子槌)は家の庭に生えていたもの。
雑草と十把一絡げに呼ばれる野草のひとつで、
しかも秋になって草むらにこのイノコヅチが生えていたら、
必ずズボンなどの衣服にくっついてくるから
嫌われ者の草のひとつ、迷惑な草のランキング、
トップ10入り間違いなしだと思う。
でも、そんな珍しくもない野草が紅葉すると、
こんなきれいなローズピンクに染まって、その意外性と
思いがけない美しさに惹きつけられる。
次の2枚の写真は、散歩道の始まる辺り、
家のすぐ裏手の私が勝手に「森の番人」と
呼んでいる切り株。
もうすっかり中もスカスカになって生きてはいないはずなのに、
そこにまた別の植物が根付いて育っていたり、蔦が絡んでいたり、
今もその揺るぎない存在感は変わらない。
陽がさんさんと降り注いで、乾いた岩肌のように
剥がれ落ちてゆく樹皮の上に映る木の葉の影や、
切り株に絡みつく小さな紅い蔦、
周囲を彩る緑や黄色の葉っぱのグラデーションの配置が絶妙で、
お洒落〜!と思ってしまう。
下の2枚はミズナラなのかコナラなのかな、それとも違う種類なのか
分からないので、まとめてドングリの木と呼んでいる木。
同じ場所で下から空に向けて撮ったもので、同じ種類の木だと思う。
同じ場所で隣り合って生えていても、日の当たり加減が微妙に
違っていたりするのだろう。
青空を背景に黄葉と黄葉が混在していて、
これもまた美しい。
晩秋の色は春の花のカラフルさや明るさとはまた違って、
深みが感じられていいなと思う。