この物語の中で最も注目すべきことは、その患者が「異なった意識状態」に
入ったことだ。
この新たな意識が彼が夢の中に癒しを見出すことを可能にし、
若い頃にもっていた自然との神秘的なつながりの中に
再び入ることを可能にしたのだ。
この神秘の中で人生は再び生きる価値のあるものとなり、
彼の体はそれに応えて、病魔と闘うほど回復したのだ。
彼がスタジオを掃除し絵を描き始めたことが、
この男性が癒されたことの証しだ。
別の言い方をすれば、彼は復活し人生に戻ってきたのだ。
自然との心躍るような歓びに満ちたつながりのお陰で、
今やこの男性にはいくらか生き残るチャンスがある。
それ以前には全くなかったところに。
だが究極的には、
癒しというのは人が死ぬかどうかということではない。
癒しとは人がいかに生を十全に生きるかということだ。
私はこのアーティストが長生きして
実りある人生を送ってくれたことを願うが、
彼がいつ亡くなったのかにかかわらず、
それでも彼は真に生きたのだから大成功だと言えるだろう。