風もないのに
どこからか白い花びらが
音もなく降ってくる
まるで時間が止まって
花びらだけが
時のない世界で
静かに静かに舞い落ちているような不思議な感覚
こんな時、日常であるはずなのに非日常のような・・・
言葉にすると違ってしまうかも知れないが、
Nirvana(涅槃)とか、
何か永遠なるものが一瞬垣間見えたような
そんな感覚に襲われる。
似たような情景を詠んだ有名な短歌があったことを思い出す。
ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心なく 花の散るらむ
(古今和歌集)
一瞬の情景に季節の移ろいを感じる点では、
同じような感覚を共有しているようだ。
その時代に生きていたもう一人の私が、
そのような歌を詠んだこともあったかも知れない。
時代がオーバーラップしてきて、雅な気分になる。
桜の花は、いつのまにやら人を古への時へと誘う
妖しの桜
桜、さくら。。。