仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

春の息吹

4月8日 

 久々に私が「大きな木さん」と呼んでいる木を訪ねた。

幹に耳を当ててジッとしていたら、

木が水を吸い上げる(水を飲む)音が聞こえてきた。

どこか深い井戸の底で響いているような音。

木の命の息吹そのものを聞いたような気がした。

木が大地のエッセンス、エリクサーを吸い上げ、

木全体に生きるための力をみなぎらせている、

そんな力強い生命力に満ちた音だと思った。

 

水は単純な液体H₂O ではなく、

ミミズなどの地を這う生き物やミネラル、微生物など

ありとあらゆるものをその中に溶かし込んだ

生命のエッセンスに満ちた流動体なのだ。