仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

夏至の日・黒猫・白い石 2

それからこれは私が直接経験したことですが、夏至の日に平和を祈る集会のために来日したネイティブのヒーラー(マヤ族)の方から、その方の生まれ故郷の川床にあった(おそらくそうだろうという私の想像ですが)石を頂いたことがありました。たぶん、私が悩み多き人間だと見抜いて、わざわざアメリカから(マヤ族ですが、アメリカのニューメキシコ在住)運んできた白いおにぎりのような形状の、結構存在感のある石を私にくれたのではないかと思います。悩みや問題があった時はその石に話をして、どこか土の上に置いておきなさい。するといつの間にか、問題は消えているからと、有難くも下さったのでした。

*これには恥ずかしい裏話があって、その方は見るからに強力そうなヒーラーで、私に下さった白い石の他にも、小さな天然石を持って来ていて、機会あるごとに相談に来た人などに石を渡しているのを、付き添いの通訳として横目で見ていました。それで私もあういう石が欲しいなあ、とできるだけさりげなく移動中のバスの中で口にしてみたら、「お前にはもうあげただろ?」(これはあくまでもニュアンス的に^^)と言われたのです。私は一瞬、「エッ、なんかもらったっけ?」とポカンとなったのですが、曰く、「お前には私が住んでいた土地から出てきた石をやったはずだ」と言われました。そう言えば、おにぎりのような石をもらったな、と気づいたのですが、私の中ではアメジストやその他、綺麗な色の天然石のイメージが強過ぎて、あのどこにでもありそうな白いおにぎり石のことは、すっかり忘れてしまっていたのでした。「アッ、そうか。あれか。。。」と迂闊にもやや落胆した私でしたが。

ずっと後になって、彼女が自分の生い立ちについて語ったインタビューの録音をネットで発見して、聞いたところによると。。。

彼女は中央アメリカ出身で(出身地がアバウトなのは、マヤ族が山岳部を移動するからなのだそうです)、16才の時に家族でアメリカ・ニューヨークに移住しました。それ以来、一度も生まれ故郷には帰っていなかったのですが、およそ40〜50年ぶりくらいに(ここは正確なところは忘れてしまったので幅を持たせておきました^^;)生まれ故郷に戻ってみたら、幼い頃彼女の母親が洗濯をしていた川がすっかり干上がっていたそうです。これは気候の変動と共に環境が著しく変化したことの表れで、わずか数十年の間に川が完全に干上がってしまうということが、これまでの歴史の中であっただろうか?という疑問を彼女は投げかけていました。

その話の中で、彼女は生まれ故郷の元々は川だったところ、彼女の母親をはじめ女性たちが洗濯をしていた川の、今はひび割れた地面となって露出した川床の石を持ち帰ったという話をしていました。彼女の話を聞いて、あの時、彼女が私にくれた白い石は、彼女が生まれ故郷から持ち帰った石だったのではないか?と思ったわけです。彼女に聞いた訳ではなく、あくまでも想像ですが。そうではないにしても、彼女が現在住んでいるニューメキシコの家の近くの土地から出てきた石のどちらかで、はるばる彼女が持参してきてくれた石であることには間違いなく、いずれにしても貴重な石だったのです。それを綺麗な色のアメジストとか名前のある天然石かどうかにこだわった自分が、まっこと恥ずかしい。面目ない話になりました。