仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

Papaji 神様噺 その2・・・2

2.アシュラムで出会ったマスター、その人とは???

ティルバンナマライの駅から牛車に乗って、アシュラムに向かった。荷物をおろしてホールに行ってみると、そこに座っていたマハリシ(尊師)は、私がパンジャブ(パパジの故郷)にいた時に家に招き入れた、そして私にティルバンナマライの住所を教えてくれたサンニャース(修行僧)その人だった。そのサンニャースは私に自分の住所を教えたのだ。私はすっかり(その師に対する)信頼を失くした。ホールにはおもに外国人らしい人が5、6〜7人くらいいたが、私はホールには入らず、そのまま引き返すことにした。

するとある人が私に話しかけてきた。「あなたは今しがたここに着いたばかりなのに、何故急いで帰ろうとしているのですか?折角遠くから来たのですから、1日〜2日でもここに留まっては如何ですか?」と。それで私はそれまでの経緯をその人に話した。「あそこに座っている人は詐欺師です。あの人は私の家を訪ねて来たサドウーです。もし本当に彼が私に神を示すことができるなら、何故パンジャブの私の家で神を示さなかったのですか?何故わざわざティルバンナマライの住所を教えて、はるばる旅をさせてここまで来させる必要があったのですか?あの人は私に神を示すことはできません。だから帰るのです」と答えたが、その人は私が言ったことを信じなかった。

「あなたは夢を見ているか、別の誰かに会ったに違いありません。何故ならあの方がここに来られたのは50年程前のことで、それ以来、あの方は一度もこの場所を離れたことがないのですから」と。「しかし、もしある人の探求が真剣なもので助けが必要であれば、彼のもつ(神秘的な)力が働いて助ける場合もあるようです。そういう例があって、フロリダからやって来た女性と、もう一人、アンドラプラデシュ州ハイデラバードからやってきた女性、そしてあなたがが同じような経験をしています。私も実際に会いました」

私にその話をしてくれた人は、ウェリントン・グループというインド中に映画館を持っている裕福なパルシー(インドに住むペルシャ人)で、とても瞑想的な人でもあった。マドラスで仕事を始めるまでに15日くらいはあったので、私はしばらくアシュラムに滞在することにした。彼の父親の世話になって、ダルマトウリーというゲストハウスに宿泊することになった。

アシュラムでは11時半からランチタイムで、昼食後はマハリシが休息を取る時間なので、12時から午後2時半までの間は誰もホールに入ってはいけないことになっていたのだが、私はそんな規則があることも知らなかった。そこで私は初めてマスターと出会った。