仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

星のような花

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むべの花

散歩道沿いに咲く星のような形をした花たち。ここに挙げた植物も、5月を彩ってくれた花たち。

そのひとつがむべの花。むべはあけびの仲間で、あけびの実が綺麗に2つに割れるのと違って、果実が裂果しないもの。家の裏手の林の上の方に、紫色の実がなっているのを見かけることはあっても、その実を食べたことは一度もない。実のなる位置が高すぎて手が届かないうえに、猿だかカラスだか誰だかが食べてしまうせいで、中身がすっかりなくなった、妙に目につく紫色の殻だけが、時々道路にころがっているのを目にするだけだ。中身が空っぽの果実を手に取って、空しいとはまさにこういうことだとしみじみ思うのが、恒例のこととなっている。

それに引きかえ、花の方は惜しげもなく降ってきて、道路には可憐なむべの花や花びらが星屑のように散らばっている。花の色、形の可愛らしさに惹かれて、何にもならないかも知れないのに(99.999....%マチガイなく何にもならない保証つき!)それをポケットに入れて持ち帰り、家で紙の上に広げて乾燥させてみる。乾くと当然黒っぽく変色して、これをどうしよう?一体どうするんだろう、私は?と思いながら、枯れて縮んで黒っぽくなった枝や花びらの形にも何とはなしのニュアンスを感じてしまって、ビニールパックに保存してしまった。(ホントにホントにこれをどうするんだろう???)心の声が断捨離、断捨離と叫ぶ中、優柔不断な私は「保留」という(想像上の)スタンプを押して、心の声を黙殺することにした。

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無数に散らばる黄色い星屑。

この花は我が家のすぐ傍の農道のアスファルトと溝の僅かなはざまに咲いている。松葉牡丹、別名ツメキリソウと葉っぱの肉厚な形状が似ているので、たぶん多肉植物の一種ではないかと思う。名前は調べればわかると思うが、とりあえず今はいいかな?笑 

この黄色い花がワッと目につく植物は、別に里山に限ったものではないらしく、先日、買い物に出た時に、スーパーや銀行などが集まっているこの市(まち)の繁華街の道路沿いにも群生しているのを初めて見かけた。今までも咲いていたのか、今年になって出現したのかは不明。それは兎も角、街中の車の往来の激しさにもめげず花を咲かせていて、思わず目を引きつけられた。黄色い強い光を放つ初夏の迸るような生命力を持っていて、小さいけれども、そのパワーの強さはひまわりにも負けないと思う。

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姫ウツギ(卯の花

姫ウツギは5月の里山に咲く花の代表選手といって差し支えないと思う。山のあちこちに現れる柔らかな白い塊、そのほとんどがこの花だ。旧暦の 卯月に咲く花ということで卯の花と名付けられたようだが、断定は避けておこう。おからで作る惣菜の代表、卯の花はこの花の名前に由来するらしい。爽やかな五月(さつき)にふさわしい爽やかな白に、おしべの黄色が似合って可愛らしい。

卯の花の名前の由来について、こんなサイトを見つけたので参考までにここに貼付しておきます。

https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crudem/190531/