仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

レイニー・パサロウの臨死体験 2

〈レイニー死のプロセスにすべてを委ねる〉

それとともに再び、私はポンと上へ押し上げられ,電線の上まで上昇しました。

そこから下にいるすべての人を見ることが出来ました。

私は彼らとそれほど親しかったわけではありませんが、

彼らの感じていることを、完全に感じ取ることが出来ました。

私は母と家の外に出て来た少年と、現実には見ることが出来なかった

丘の上を見ました。

私は母や、私の名を呼び続ける友達を見て、とても悲しくなりました。

家から出て来た少年を見て悲しくなりました。

彼が私が死んだと考えていることがとても悲しかったのです。

私の関心は彼らにありました。

私は彼らを見守りながら、彼らにこんな風に呼びかけていました。

すべてはあるがままで、申し分なく、私は自由で、

それは素晴らしいことだということ。

私が彼らを愛し、彼らが私を愛していること、

それが私たちをつなぐ絆だということ。

それは物質的な絆とは違って、決して壊れることはないということ。

私は何度も何度も繰り返し、彼らに伝えようとしましたが、

自分には口も体もないことに気が付きました。 

彼らには私の言うことが聞こえなかったのです。

私は死というプロセスに自分自身を預けたその同じ手に、

彼らのことを委ねなければなりませんでした。

その気付きとともに、私は一種の玉のような状態になって、

彼らに背を向け、ただ離れていきました。

私に出来ることは何もないと分かって、愛情を持ちながらも

私の注意は離れていきました。

私は上方へと引き上げられ始めました。

私たちの場所、特に私が住んでいた通り、

住んでいた小さな町が見え始めました。

(それはまるで宇宙船か何かに取り付けられたカメラのようでした)。

私はどんどん上へ上へと引っ張られて、

地球全体が見えるところまで引き上げられました。

それは素晴らしいものでした! 

(つづく)