〈レイニー死のプロセスにすべてを委ねる〉
それとともに再び、私はポンと上へ押し上げられ,電線の上まで上昇しました。
そこから下にいるすべての人を見ることが出来ました。
私は彼らとそれほど親しかったわけではありませんが、
彼らの感じていることを、完全に感じ取ることが出来ました。
私は母と家の外に出て来た少年と、現実には見ることが出来なかった
丘の上を見ました。
私は母や、私の名を呼び続ける友達を見て、とても悲しくなりました。
家から出て来た少年を見て悲しくなりました。
彼が私が死んだと考えていることがとても悲しかったのです。
私の関心は彼らにありました。
私は彼らを見守りながら、彼らにこんな風に呼びかけていました。
すべてはあるがままで、申し分なく、私は自由で、
それは素晴らしいことだということ。
私が彼らを愛し、彼らが私を愛していること、
それが私たちをつなぐ絆だということ。
それは物質的な絆とは違って、決して壊れることはないということ。
私は何度も何度も繰り返し、彼らに伝えようとしましたが、
自分には口も体もないことに気が付きました。
彼らには私の言うことが聞こえなかったのです。
私は死というプロセスに自分自身を預けたその同じ手に、
彼らのことを委ねなければなりませんでした。
その気付きとともに、私は一種の玉のような状態になって、
彼らに背を向け、ただ離れていきました。
私に出来ることは何もないと分かって、愛情を持ちながらも
私の注意は離れていきました。
私は上方へと引き上げられ始めました。
私たちの場所、特に私が住んでいた通り、
住んでいた小さな町が見え始めました。
(それはまるで宇宙船か何かに取り付けられたカメラのようでした)。
私はどんどん上へ上へと引っ張られて、
地球全体が見えるところまで引き上げられました。
それは素晴らしいものでした!
(つづく)