仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

みやまかたばみ

3月12日

 

椿大社の裏手にある水汲み場に水汲みに行った。この冬はほとんど積雪らしい

積雪もなく雨も少なかったので、いつもより水汲みに時間がかかる。

(2年前には、雪のために1ヶ月近く雪に閉ざされた)

寒いし、早めに切り上げて帰ろうと思ったが、一輪だけ咲いていた

ミヤマカタバミのつぼみを見つけて、一気に心が弾んだ。

 

人があまり入ってこない山地の日陰に見られるとある通り、まさしく山の日陰の

斜面に、スギの枯葉に半ば埋もれながら咲いている。去年はタイミングよく一斉に

咲いて、群生しているところを見ることができたが、台風や嵐に多くみまわれたせいか、今年は数がまばらになっているような気がする。

 

清らかな水が枯れることなく湧き出している山中に、ひっそりと咲く白い花。

慎ましやかではあっても、その白い色はハッと人目を惹きつける強さも持っている。

 

この清らかな白い花びら・・・実際は花びらではなく萼(がく)らしい・・・を見ると、こんな姿の妖精もいるんじゃないかと思ってしまう。というより、妖精という存在がいるとすれば(私は妖精がいると思うし、見かけてもいる。思い違いでなければ)、

花は限りなく妖精に近い存在だと思う。

 

やっぱり、水汲みに行って良かった。

 

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みやまかたばみ