仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

キリのない話 2

以前「ホ・オ・ポノ・ポノ」を華々しく紹介したジョー・ヴィタールという人のメルマガをとったことがあった。大方は忘れてしまったのだが、彼の話は結局、ホ・オ・ポノ・ポノで言うところの潜在意識のクリーニングをやっていったら、どんどん願いが叶うようになって、自分の好きな高級車を何台も(好きなだけ)所有することが出来るようになった、というものだった。要するに、君も頑張れば、望んでいる成功を手に入れられるし、お金持ちになれるというアメリカン・ドリームの成功哲学に他ならなかった、と記憶している。情報量もハンパなかったので、すぐに配信停止にしたが、スピ系と呼ばれる人たちのやっていることは、結局それと似たり寄ったりなのではないだろうか?

潜在意識のクリーニング、インナーチャイルドの癒し・・・などなど、どれもこれも結局、そうすることによって、自分の夢が叶うようになる、あなたも豊かになれる、と語っているように聞こえる。それよりも何よりも、ひねくれた根性の持ち主である私が感じるのは、そう言っているあなた自身〈スピリチュアル・ティーチャーや講師の皆様方〉が、一番稼いでますよねっていうことと、世の人々も結局、成功した人、お金を沢山持って自由を手に入れた人がイコール、スピリチュアル・ティーチャーと認識しているらしいということ。

もちろん、いわゆるスピ系の方々の教えや手法が全く何の役にも立たないと全否定しているわけではない。それなりに個人の抱えるトラウマや心の傷の癒しに役立つものもあるだろうし、玉石混淆でいいものも、そうでないものあるだろう。

ただ私が思うのは、全体としてスピリチュアルと呼ばれる目に見えない分野が、かつて金(ゴールド)に取り憑かれた人々が西へ西へと移動してアメリカ西部が開拓されたように、今は見えない世界のことがビジネスのフロンティアの最先端を担っているということだ。物質的な豊かさはほぼ手に入れて、行き着いた感がある。あとは目に見えない領域、悟りだのアセンションだのを何とかしたい。ヒーラーやチャネラーになりたい。。。

スピリチュアル・ティーチャーはそれぞれが大なり小なり事業主で、あの手この手のビジネス戦略を繰り出しているように見える。

(結果として、この世界が良くなることもあるかも知れないので、全否定ではありません)

ただ基本的、個人的にはスピ系ビジネスが資本主義のラスト・フロンティアという気がするのです。

素朴な疑問として、日本中の1億の人が豊かさや成功を願ったとして、思考が明確であれば、それですべての人の望みが叶うのだろうか?そこには含まれない人、そこから漏れ出た人、願いが叶わない人もいて、それはやはり経済的な格差やひずみを生みだして、決してパラダイム・シフトみたいなことにはならないのではないか?

とてもうまい金儲けの話なんかも、よくよく考えてみると、それで儲けられる人と、その煽りを受ける人、決して儲ける側にはならない人たちが生まれると思う。資本主義というシステムの中では、どうしても餌で釣る側と釣られる側ができてしまうんじゃないだろうか?

この経済の枠組みの中で、より多くの収入を得たい、より豊かになりたい、成功者になりたいというなら、これまでに様々あった豊かになるためのメソッドと全体としては変わらない。スピリチュアルと銘打った金儲けなのでは、と思う。