仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

暦その2 マヤ暦

 伝統的なマヤ暦では春分を1年の始まりとして、

種まきを象徴する儀式・ダンスで祝われる。

私が滞在していた当時、カリフォルニアのDQ大学で

(その当時の名誉学長はAmerican Indian Movement

略してAIMの精神的指導者デニス・バンクス氏)

マヤのダンサー達による春分の種まきのダンスが披露され、

デニス・バンクスが今が1年をスタートさせる時期だというような

内容の話をしていたことを記憶している。

春分を1年の始まりとするのも地球の動きと調和していて、

その点だけをとってもやはりマヤ暦はすぐれた暦だと思う。

写真は1982年の春分の日にDQU(D-Q大学)で行われた

マヤ族の種まきのダンス。

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マヤ族の種まきのダンス・セレモニー(at DQU)

ちなみにホゼ・アグエイアス氏によって考案された13の月の暦というのは、

マヤの伝統的な暦とは全く関係がないという話を、マヤ族のヒーラー

Flodemayoから聞いたことがある。(2004年のこと)

あるとき彼女に私もマヤの暦の勉強したいと言ったら、

それは無理だと即座に言われた。

何故なら暦というのは、マヤの人々の生活・文化・歴史に深く根付いていて、

Day Keeperと呼ばれる人々がマヤの暦を受け継いで管理している。

Day Keeperは子供の頃から、今日は何の日でどういう意味があるのかというのを

聞かされ、自然に身体で覚えていくのだという。その世界では降る雨にも

虫に刺されることにも意味があって、私たちは自然との深い関わりの中で

生きていて、起こることには偶然などないということを身を持って知っていく。

Flodemayoがそのように噛み砕いて話してくれたわけではなかったが、

私はそのように理解した。

そして知的好奇心だけであれやこれやに手を出すことの軽率さを知り、

自分たちの風土がもつ文化や歴史に謙虚に向かうこと、

それと同時に他の文化に対しても同様の敬意を持って接することが

大切なのだということを学んだ。