仙人草の咲く庭で

犬と一緒に散策する里山スケッチ。自然界のさまざまな存在や、見えない世界へと誘われる心のスケッチ、モノローグ

お盆とユング 4

われわれの見聞の印象があまりにも鮮明すぎると、

われわれは現時点にとらわれてしまい、われらに伝わる先祖の精神が、

どのような仕方で現在を聞きわけ理解するのか、

換言すれば、われわれの無意識が現在に対してどのように反応するのか、

わからなくなってしまう。だからわれわれは、自分のうちの先祖の

構成部分がわれわれの生活と喜んで関わっているのか、あるいは逆に、

嫌ってさけているのかどうか、知らないままでいる。

内的な平安と満足とは、個人に生まれながらに具わっている歴史的家族が、

はかない現在の状況と調和するかどうかに、大いに左右されるのである。

(以上、ユング自伝 ー思い出・夢・思想ー 2より抜粋)

 *********************************

*先ほど、きつねの嫁入りがあったと書いたが(ユングとお盆 2)

あれはあのとき戦争で亡くなった人々、残されて涙にくれた人々の

涙だったのだろうか・・・?

あの時代を生きて彼岸へと旅立った人たちが、今の日本の現状を見たら、

はたして何と思うだろう?

有名な杜甫の詩「春望」に 「国破れて山河在り」という一節が

ある・・・・国は滅びた。人間社会は無残にも変転していくが、

自然は変わることなく存在している、と謳った

・・・その杜甫にしても、戦争に負けたわけでもないのに、

国土はいうに及ばず、水や空気・海までが放射能で汚染され、

安心して飲める水や空気、子供たちが安心して遊び回れる大地が失われて

しまった今の日本の現状を見たら、彼らにこんな状況が理解ができるか

どうかは分からないが、何と謳うだろう?彼らにはこんな事態が起こりうる

という事自体、呑み込めないに違いない。

私たちにしても、彼らに言うべき言葉が見つけられないだろう。

すべては人類が背負ったカルマ・過去の所業の総決算だから

仕方ないんですよね、とは言えないんじゃないだろうか?

 

漂い流れる鉦の音・晴れた空から落ちてきた水滴・

先人の涙・そしてユング

 

私のコスモスで起こったシンクロ